バイオマス発電用アンモニア気化器 製作
細いパイプを螺旋状に溶接して製作 法規にあわせた検査対応をしました
バイオマス発電に使用されるアンモニア気化器を製作した事例をご紹介いたします。
製作の依頼があったアンモニア気化器は、発電関連の機器では、あまり見かけない珍しい形状の機器でした。
溶接の難易度が高いだけでなく、発電関連の機器であるため、電気事業法に則った製作が必要となります。
また、お客様からは、詳細設計から含めた製作の依頼があり、私たち製作グループだけでなく、設計課・工務課が連携してプロジェクトに対応し、放射線透過試験の検査など、検査項目にも対応し、無事に納品。
お客様に喜んでいただけました。
電気事業法に対応できる業者がいない…お客様からの相談内容
最初は、お客様側で対応できる業者を探したそうです。
しかし、機器の形状が珍しい上に、電気事業法が関わってくる…ということで、製作を引き受ける会社がなかなか見つからない状況。そこで、旧知だった弊社に相談が持ち込まれました。
電気事業法に関する分野を得意にする弊社ですが、手がけているのは、ボイラーや熱交換器が中心。今回のアンモニア気化器のような液化ガス設備はあまり経験がありません。
ただ、お客様が大変困っており、また調べてみたところ、弊社が持つ技術、取得している電気事業法の施工法で対応可能でしたので、お引き受けしました。

電気事業法に基づく、施工法の実施と、細かな検査対応が必要になります。
強度計算など詳細設計や法規の調査まで対応
今回の案件では、強度計算や溶接の分割などの詳細設計からご依頼となりました。そこで私たち製作グループだけでなく、設計課・工務課と連携してプロジェクトを進めました。
1.2メートルの本体の周りに、外径25.4mmのパイプを螺旋状に取り付けるという、発電関連の機器ではあまり見ない珍しい形状です。
どこで溶接するのか?どうやって溶接するのか?といった部分には、特に注意を払いました。
管と管の間隔が近く、手を自由に動かせないため、部品の分割と組み立ての施工手順を誤ると微妙なズレが生じる可能性があります。
パイプ同士がズレると、溶接部分に隙間ができたり、強度が不足したりと問題があるからです。
発電施設は重要な社会インフラです。
施工法や検査内容については、経済産業省が所管する電気事業法により、細かく規定があります。
普段から様々な電気事業法に関連する機器を製作し、法規への対応になれている弊社ですが、前述の通り、液化ガス設備はあまり経験がありません。
少しでも手違いがあればお客様に大きなご迷惑をおかけすることになってしまいます。
そこで1つ1つ、法規の内容を細かく調べながら対応する形になりました。
また、通常の検査だけでなく、今回の案件ではパイプの溶接部分に対し、非破壊検査として放射線透過試験を実施するなど、検査項目にもしっかり対応いたしました。
詳細設計から法規の調査まで…きめ細かい対応にご満足いただけました
電気事業法に基づく細かな試験も無事にクリアし、今回のバイオマス発電用アンモニア気化器は無事に納品となりました。
現在、プラント全体の工事も完了し、もうじき本格的な稼動が始まります。
詳細設計から電気事業法に関わる部分の調査まで、丸ごとサポートさせていただことで、お客様にご満足いただけたようです。
弊社としては、珍しい形状の機器の製作であり、難しい分、技術者もヤリガイがある案件でした。そして、何よりもお客様にお喜びいただけたことで、やって良かったと実感しています。
製作事例(熱交換器)一覧
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