製油所向けディストリビューター製作
モックアップを実施してデータ取り、 非常に厳しい寸法公差に対応!
製油所向けディストリビューターの製作事例をご紹介します。適用法規は高圧ガス保安法、材料は高温用のため、当然ながら予熱・後熱管理が必要。本体胴は全長20m(5分割で製作し一体物に組立)、肉厚のノズルが一定の角度振りでチドリに多数取り付き、さらに寸法公差が当初の図面では製缶品としては非常に厳しいものでした。
そこで製作に携わるメンバーが集まって製造検討会を行い、寸法公差は客先に申し入れをし変更して頂いたが、細く薄く長く溶接量の多い製品ですのでまだまだ気の抜けない厳しい公差です。使用する材料は市中に在庫が無く誤作を出したら材料の入手は納期的に無理のため再製作は不可能です。そのためお客様から余材使用の許可を頂き、ノズル曲げ加工の扁平率・減肉率の確認、本体胴やノズルの溶接による熱収縮量の確認、ノズル取付溶接部の裏波の品質確認等、数パターンのモックアップ実験を実施してこれらのデータ収集を行い、実機製作に最大限に生かしました。本体の炉内焼鈍へはノズル拘束治具を取付け、公差内ではあるが胴の曲がりは逆キャンバーをつけて発送。さらに高品質の製品をとの気持ちの表れです。結果は良好。品質保証部が製作グループと一体になって頻繁に検査を実施したことも見逃せません。
製缶品としては厳しすぎるとも思われた寸法公差でしたが、本体胴の曲がり、各ノズルのピッチや各部寸法、フランジ水平度及びボルト穴通り芯、溶接部非破壊検査、外観検査等いずれの検査も合格。寸法公差はすべての計測箇所において±2mm以内でした。何よりのご褒美は客先殿に好印象でお褒めの言葉を頂けた事でしょうか。今回は製造検討会による問題点の抽出、モックアップによるデータ取り、製作治具・拘束治具の考案、工程進捗毎に次作業の検討、これらの積み重ねが高品質・低コストへと如実に反映された工事でした。それは当たり前の事を着実に確実に実施しただけと言えますが、決して容易なことではなく物作りの永遠のテーマとも言えるのではないでしょうか。
今後さらにコミュニケーションを密に取り合い、関係者が一体となりポジティブな姿勢で物作りに取り組めば、おのずと良い結果がついてくると信じています。
製作事例(その他機器)一覧
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