変電所向けガス遮断器(開閉装置)出荷前検査
変電所向けのガス遮断器(開閉装置)製作における出荷前検査工程の事例をご紹介します。ガス遮断器とは、絶縁ガスがタンク内に充填されたガス遮断機の略称で、分かりやすく言うと電力会社が所有する変電所で使用されるスイッチの役目をする機器の容器(タンク)です。写真は変電所で使用される出力50万ボルトGCBタンクです。出荷前検査は寸法検査と外観検査があり、その中でも寸法検査はかなり高い精度で行わなければなりません。
その理由として、本体フランジと分岐フランジに機械加工するための削り代があり、フランジの溶接が完了してタンクの形になってから、フランジの平面度0.2mm以内を確保するために、フランジ表面の削り加工を行います。まずその平面度が確保されないと不合格になります。かといって削りすぎるとフランジの厚みが薄くなってしまい強度が保てず不合格となります。削り加工はお客様の所掌であるため、「削れない、削りすぎる」とクレームがくることは不良品を納めた事になります。また、本体に取付ける部品類は中心からの芯ずれ許容値は±2mm以内となっています。
これらの確認方法として、定盤(平面加工された鉄製の台)の上に製品を置き、スコヤ(直角精度の高い計測器)等を用いて精度の高い寸法計測を行います。外観検査は、溶接部の外観に欠陥がないか、剥離する付着物がないか、キズや突起がないかなど、タンク全体を厳しい目でチェックしていきます。変電所が稼働した後にガス遮断器に不具合が生じると変電所自体が停止してしまう恐れがあります。それはその地域に停電が発生する事を意味し、社会へ与える影響は大きなものです。今後も製品の社会的重要性を認識し製造部、品質保証部が一致団結して徹底した品質管理を行い、世界に誇る日本の電力安定供給に少しでも貢献したいと思います。
製作事例(圧力容器)一覧
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